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【前編】事実婚を解消したい! 慰謝料、財産分与、養育費は請求できるのかを解説

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2019年04月25日
  • 離婚
  • 事実婚
  • 慰謝料
【前編】事実婚を解消したい! 慰謝料、財産分与、養育費は請求できるのかを解説

船橋市における、平成29年の離婚件数は1401件でした。しかし、このデータはあくまで正式な法律上の婚姻関係にあった夫婦のものであり、事実婚の解消については考慮されていません。

法律上の婚姻関係にある夫婦よりも事実婚の夫婦は数そのものが少ない可能性が高く、離婚と比べて事実婚を解消した件数も、さほど多くないかもしれません。しかし、互いに事実婚関係を選択した相手方と暮らす方はこれから増えていく可能性もあります。

では、浮気など法律上の婚姻関係にあれば慰謝料を請求できるようなケースにおいて、事実婚の場合はどうすればよいのか、ご存じでしょうか。慰謝料を請求することはできるのか迷う方も多いでしょう。慰謝料に対する疑問の回答と併せて、事実婚の解消における財産分与や養育費の取り扱いについてもベリーベスト法律事務所 船橋オフィスの弁護士が解説します。



1、事実婚とは?

まず、法律上の婚姻関係と事実婚の違いについて確認しておきましょう。

  1. (1)法律上の婚姻関係と事実婚の違いとは?

    法律上の婚姻関係にある夫婦とは、結婚に際して役所に婚姻届を提出・受理されており、民法上も戸籍法上も正式な婚姻関係と認められる夫婦のことです。

    これに対して、婚姻届を提出していないために法律上の婚姻関係がないのにもかかわらず、実態は夫婦のように生活している男女を「事実婚」の関係にある夫婦といいます。

  2. (2)事実婚が成立する要件とは?

    過去の事例から、事実婚が成立する客観的な要件は以下の2点とされています。

    • 男女双方に婚姻する意思があること。
    • 共同生活、つまり同居して生計を一にしていること。

    住民票の登録についてですが、事実婚であることを明らかにしておくことは法律で義務付けられているわけではありません。それぞれを別世帯として住民票の登録をしておくことも可能です。

    ただし、住民票の続柄欄に「夫/妻(未届)」または「同居人」と記載があると、事実婚の関係にある夫婦であることの客観性がいっそう高くなるでしょう。

  3. (3)事実婚のメリットとデメリットとは?

    事実婚は、恋愛関係と法律上の婚姻関係の中間のような位置づけです。このため、法律上の婚姻関係と異なり、以下のメリットがあります。

    • 相手方と名字を同一にしなくてよい
    • 相手方と別れて事実婚の関係を解消しても戸籍に履歴が残らない
    • 夫婦間においては法律上の婚姻関係と同様の権利を得ることができる

    このようなメリットとライフスタイルや夫婦であることに対する価値観の多様化も相まって、あえて法律上の婚姻関係ではなく事実婚を選ぶカップルは増えているようです。

    その一方で、事実婚にもデメリットはあります。

    • 事実婚の配偶者は所得税における配偶者控除や医療費控除が受けられない
    • 法定相続人になれない
    • 相続したとしても最大1億6000万円までの相続税評価額に対して相続税が課税されない配偶者控除が受けられない

    このように、主に社会保険や相続の面でデメリットがあることを知っておく必要があるでしょう。

2、事実婚でも慰謝料は請求できる?

事実婚の関係にあると認められる夫婦には、法律上の婚姻関係にある夫婦と同様に民法第752条で定める夫婦の同居義務・協力義務・扶助義務が発生します。つまり、民法第770条に定める裁判で離婚の訴えを提起することができる条件が、そのまま事実婚の解消を提起することができる条件として適用されることになると考えておいてよいでしょう。

したがって、事実婚の相手方による浮気やドメスティック・バイオレンス、悪意の遺棄などの行為によって受けた精神的苦痛については、相手方に慰謝料を請求することができるのです。たとえば、性格や趣味が合わない、互いの親族と折り合いが悪い、会話が弾まないなどの理由は、法律上の婚姻関係にある夫婦と同様、単なる性格の不一致とされ、慰謝料を請求する理由にはなりません。

3、事実婚での財産分与はどうなる?

事実婚の解消時には、法律上の婚姻関係にある夫婦と同様に民法第768条第1項に基づき相手方に対して財産分与を請求することができます。

事実婚における財産分与とは、事実婚の関係になってから夫婦がこれまでの共同生活のなかで形成・維持してきた財産について、その名義に関係なく事実婚の解消時に貢献度に応じて平等に分けましょうというものです。財産分与は、預貯金や株式などの金融資産、不動産、美術品、自家用車、さらには将来支払われることが確実な退職金も対象になります。

ただし、事実婚の関係になる前から個別に所有していた財産は「特有財産」であり、その維持に相手方の協力が認められた場合でもない限りは、基本的に財産分与の対象とはなりません。また、事実婚の期間中に相手方が相続や遺贈で取得した財産についても、夫婦で形成・維持してきた財産とはいえないため財産分与の対象とはなりません。

財産分与をする・しない、および財産分与の割合や分与する財産については、事実婚を解消する際の話し合いから始まります。話し合いがまとまらない場合、調停や裁判に移行することになります。その過程で最終的に財産分与の合意あるいは判決が出されるわけですが、過去の判例や慣行面によりますと別居して実質的に事実婚を解消した時点における共有財産額の、「2分の1ずつ」とされることが多いようです。

後編では事実婚の夫婦で子どもにいる場合や相続、別れたいときにどうすべきかについて解説します。

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