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同棲を解消したパートナーにお金の返金や慰謝料の請求を求める方法を解説

2021年03月22日
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同棲を解消したパートナーにお金の返金や慰謝料の請求を求める方法を解説

千葉県千葉市では、令和元年1月に同性・異性のカップルを対象とする『パートナーシップ宣誓制度』を導入しました。
結婚していない事実婚状態のカップルでも、パートナーシップ宣誓証明書があれば、不動産や医療の手続きなどについて配偶者と同様のメリットを享受できるようになったのです。

同じ千葉県であっても船橋市ではこのような制度はまだ導入されていませんが、法律婚以外の柔軟なパートナーの形を認める動きは少しずつ広まっています。

パートナーといえば、結婚を前提とした同棲をしているカップルは多いでしょう。
しかし、結婚までにいたらずに同棲を解消してしまうカップルが多々いるという実情もあります。
そして、同棲を解消したカップルの間では、これまでに片方が支払ってきたお金についてパートナーに返金を求めることでトラブルに発展する、という事態が起こることも珍しくないのです。
さらに、相手の浮気が原因で同棲を解消されたり、婚約を急に破棄されたりした場合には、慰謝料の請求を検討することにもなるでしょう。

本コラムでは、べリーベスト法律事務所 船橋オフィスの弁護士が、同棲解消で請求できるお金の種類や請求の方法について解説します。

1、同棲を解消した場合に生じるお金の問題

同棲を解消することが決まった場合に生じる可能性のある、お金に関するトラブルとしては、以下のようなものが考えられます。

  • どちらか一方だけが家賃・公共料金・生活費を負担していた場合、過去の分を相手に対して請求できるか
  • 共同で貯めていた結婚資金の分配
  • 同棲していた部屋を引き払う際の費用(敷金・違約金・修繕費など)
  • どちらか一方だけが出ていくことになった場合の、引っ越し費用
  • 家具、自動車、家電製品などをどちらが引き取るか
  • 互いの間で貸し借りしていたお金の清算
  • 浮気や暴力が原因で同棲解消した場合、慰謝料を請求できるか


これらのトラブルについて法律的に対処する際には、同性の状態が「事実婚」や「内縁関係」といえるものであったかどうか、という点が重要になる場合があります
事実婚や内縁関係については、次章にて詳しく解説いたします。

2、同棲を解消された場合どんなお金を請求できる?

  1. (1)事実婚・内縁関係かどうかで結果は変わってくる

    「事実婚」や「内縁関係」とは、「男女が婚姻生活を送る意思をもって、実際に夫婦同然の生活を営んでいるが、婚姻届は提出していない状態」のことを意味します。
    事実婚や内縁関係を成立させる条件は、以下の二点です。

    • 法律婚の夫婦と同じような生活を送っていること
    • ふたりとも婚姻の意思を有していること


    具体的には、以下のような事情がある場合には、事実婚や内縁関係が成立する可能性が高いといます。

    • 家計を一緒にしており、共有財産を築いている
    • 長年一緒に暮らしている
    • ふたりの間に子どもがいる
    • 片方が専業主婦(主夫)として家事に専念している
    • 婚約している
    • お互いの両親、親戚、友人、近所の人などに配偶者として挨拶している
    • 結婚式の準備をしている、結婚パーティーを開いた
    • お互いの親戚の冠婚葬祭にパートナーとして出席した


    上記のいずれの事情もない場合には、内縁関係であるとみなされることは難しく、「同棲中の恋人同士」という程度の扱いになるでしょう

  2. (2)借金

    同棲相手との間でお金の貸し借りがあった場合には、事実婚・内縁関係にあるかどうかにかかわらず、原則として返済を求めることが可能です。
    ただし、借金の返済を求める際には、客観的な証拠の有無が重要となる場合があります。「お金を貸した」という証拠がないと、相手が「そんな金を借りた覚えはない」と開き直る事例があるためです。
    借金の借用書があれば、有用な証拠となるでしょう。また、LINEのメッセージ履歴やメールのやり取り、借金に関する会話の録音なども証拠となります

    ただし、「お金を貸したのではなくあげたが、同性を解消することになってから、あげたお金を返してほしくなった」という場合には、法律的な手段を用いてそのお金を返してもらうことはできません。
    法律上、「贈与」された側には返還の義務が存在しないためです。
    お金だけでなく、アクセサリーや服などのプレゼントについても同様であり、贈与した側には、返還を請求する権利はありません。

  3. (3)結納金・婚約指輪

    同性カップルのどちらかが相手に結納金や婚約指輪を渡すことは、「将来に結婚することを条件としている」という点で、通常の贈与契約とは異なります。
    受贈者が何らかの債務を負担することを条件とする贈与契約は「負担付贈与」と呼ばれ、通常の贈与契約とは区別されて扱われるためです。
    そして、結納金や婚約指輪を贈与しておきながら結婚にまでいたらなかった場合には、結納金・婚約指輪を贈与する条件が履行されていないこととなるため、返還を請求できる可能性があるのです

    ただし、結納金・婚約指輪を贈与した側に落ち度があったために結婚できなくなった場合は、「条件が履行されなかった責任」は贈与された側ではなく贈与した側にある、とみなされます。そのため、原則的に、返還を求めることはできなくなるのです。

  4. (4)財産分与

    同性カップルが事実婚・内縁関係にあったと認められた場合には、法律婚の夫婦と同様に、「財産分与」を求めることができると考えられます。
    財産分与とは、夫婦が婚姻生活の中で協力して築いてきた財産を、お互いの貢献度に応じて公平に分け合う手続きのことです。
    財産分与では、原則として夫婦それぞれに2分の1ずつ、財産を分け合います。ただし、片方が芸能・経営・スポーツなどの特殊な才能により高額な収入を得ていたなどの場合には、貢献度に応じて2分の1を上回ることもあります。

    過去の判例では「内縁の夫婦について、離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、準婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得る」として、法律婚の夫婦間における財産分与について定めた民法第768条を事実婚のカップルにも適用することが認められています(最高裁決定平成12年3月10日)。
    事実婚の場合も、財産分与の方法は法律婚の夫婦に準じるのです。
    財産分与の対象となるのは、「事実婚を開始してからの収入」で形成した、預貯金・不動産・株式・自動車などの共有財産となります。どちらの名義で財産を登録や登記しているかに関わらず、分与の対象となります。
    一方で、家族からの相続財産や事実婚以前に独自に貯めた貯金などは、「特有財産」として、財産分与の対象外となるのです。

    また、話し合いのみでは財産分与の決着がつかない場合には、法律婚の場合と同様に、家庭裁判所における調停や裁判へと移行を検討することができます。

3、浮気が原因で同棲解消したら慰謝料は請求できる?

  1. (1)事実婚・内縁関係なら慰謝料を請求できる可能性

    通常、単なる恋人同士の関係については、片方が浮気をしても慰謝料を請求することはできません。
    浮気を理由に慰謝料を請求するためには相手が「貞操義務」に違反して「不貞行為」を行うことが条件になります。
    しかし、原則的に、貞操義務は婚姻関係の状態にあるカップルのみに課されます。法律上では、単なる恋人同士である場合には貞操義務が課されないのです。
    しかし、事実婚・内縁関係は、法律上は「準婚関係」とされています。
    そのため、事実婚・内縁関係においても、不貞行為が原因で関係が解消した場合、慰謝料を請求できる可能性があるのです。

  2. (2)不貞行為とは

    原則的に、不貞行為といえるためには、浮気をした人と浮気相手との間にセックスなどの肉体関係が存在することが前提とされます。

    事実婚・内縁関係であり、同棲相手が浮気相手とセックスなどの肉体関係をもったため関係が解消された場合には、慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。
    ただし、法律婚における不倫に比べると、慰謝料の金額は低くなる傾向があります
    また、慰謝料とは「精神的苦痛」に対する賠償金です。そのため、金額は「事実婚の期間の長さ」や「同棲相手が浮気していた期間の長さ」によって変動する場合があります。「結婚を想定して退職していた」など、浮気をされた側の精神的苦痛が増大するような事情がある場合にも、慰謝料が増額する可能性があるのです。
    ご自身の状況で慰謝料が増額する可能性があるか否かを判断するために、具体的な状況を弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)慰謝料請求手続きの流れ

    浮気をした同棲相手に慰謝料を請求するためには、「事実婚関係」と「相手の不貞行為」のそれぞれについて、証拠をもって証明する必要があります。

    事実婚・内縁関係を証明する証拠としては、以下のようなものがあります。

    • 事実婚関係が証明できる住民票
    • お互いの親戚の冠婚葬祭に出席したことを示す招待状、写真、動画など
    • 婚約パーティーの記録
    • 家族、友人、知人の証言
    • 通帳、公共料金の支払い履歴、賃貸借契約書など


    また、相手の不貞行為を証明するためには、以下のような証拠を集める必要があるのです。

    • 不貞相手とのメッセージのやり取り
    • ラブホテルに出入りする瞬間の写真
    • ラブホテルの領収書
    • 不貞行為を認める録音データ


    証拠を収集したあとには、慰謝料を請求するために同棲相手と「示談」を行いましょう。
    ただし、特に同棲関係における不倫といった事例では、当事者同士で示談を行うと互いに感情的になって口論にまで発展してしまい、示談が破たんして合意にいたらないことが多々あります。また、示談が成立しても後日、「すごい剣幕で捲し立てられたために示談書を書かざるをえなかったので、強迫に当たる」などの難癖をつけられて示談の取消しなどを主張されることもあります。
    そのため、示談交渉は弁護士に代理させることをおすすめします
    客観的で専門的な立場から示談交渉をまとめて、適切な金額の慰謝料を請求できる可能性を高められるためです。

    また、示談交渉によっても解決にいたらない場合は、調停や裁判にまで発展する場合もあります。

4、婚約破棄をされた場合も慰謝料は請求できる?

  1. (1)成立していた婚約を、正当な理由なく破棄されたことが条件

    婚約を破棄された場合にも、慰謝料を請求できる可能性はあります。
    ただし、婚約破棄に対して慰謝料を請求するためには、下記の条件を満たす必要があるのです。

    • 婚約が成立していたことを客観的に証明できる
    • 正当な理由なく破棄された


    婚約自体は、口約束でも成立します。
    しかし、婚約を否認している相手に慰謝料を支払わせるためには、証拠によって「婚約が成立していたこと」を示さなければいけません
    婚約が成立していないことを示す証拠としては、以下のようなものがあります。

    • 婚約指輪
    • 婚約指輪の領収書
    • 結納金の授受を示す資料
    • 結婚式場を予約した際の資料、領収書
    • 新居の下見をしていたことを示す資料
    • その他、結婚に向けて正式な準備を進めていたことを証明するもの


    また、婚約を破棄することの「正当な理由」にみなされるものとしては、以下のようなものがあります。これらの理由が存在する場合には、婚約破棄をされても慰謝料が請求できない可能性があるのです。

    • 相手の浮気
    • 相手の暴力
    • 相手による重大な侮辱
    • 相手が隠していた借金の発覚
    • 相手が隠していた持病の発覚
    • 相手が婚約後に精神障害・身体障害になった
    • 相手の失業
    • 結婚の条件を一方的に変更された(義親の同居、共働き、子どもの選択等)


    一方で、以下のようなものは「正当な理由」であるとはみなされないので、これらを理由に婚約破棄された場合には慰謝料を請求できる可能性があります

    • 心変わり
    • 性格の不一致
    • 部落差別・民族差別的な理由
    • 特定の宗教の信仰をやめないという理由
    • 親が結婚に反対している
  2. (2)婚約破棄による慰謝料の金額が高額となる場合

    不貞行為の場合と同じく、婚約破棄においても、破棄された側の「精神的苦痛」を増大させるような事情があった場合には、慰謝料が増額する可能性があります。
    具体的には、以下のようなものが、精神的苦痛を増大させる事情であるとみなされるでしょう。

    • 婚約までの交際期間が長年にわたる
    • 婚約から破棄までの期間が長い
    • 結婚直前に婚約破棄された
    • 妊娠中に、婚約破棄された
    • 結婚を想定して退職していた


    慰謝料の具体的な金額は、不貞行為の場合と同じく、事情によって変動します。
    ご自身の状況を弁護士に伝えれば、金額を見積もらせることができるでしょう

  3. (3)慰謝料請求の方法

    婚約破棄においても、慰謝料を請求するための基本的な手続きや流れは、不貞行為の場合と同じになります。
    そして、不貞行為と同じく、婚約破棄においても当事者同士で示談を行うと互いに感情的になってしまい、合意が成立しない可能性が高くなります。
    そのため、示談交渉は弁護士に代理させて、冷静かつ着実に慰謝料を請求したほうがよいでしょう

5、まとめ

同棲を解消した相手にお金を請求するためには、原則的に、相手との間に事実婚・内縁関係が成立していることが要件とされます。
事実婚・内縁関係である場合には、財産分与を求めることができます。また、相手が肉体関係を伴う浮気(不貞行為)をしていたり、正当な理由なく婚約を破棄されたりした場合には、慰謝料を請求できる可能性があるのです。

慰謝料の金額は、同棲関係や婚約関係であった機関や、精神的苦痛を増大させる事項の有無によって変動します。
弁護士に具体的な事情を相談すれば、慰謝料の金額を見積もることができます。
そして、いざ相手に遺産を請求する場合にも、示談を弁護士に代理させることで、感情的な口論によって示談が破たんすることを避けて冷静かつ着実に慰謝料を回収できる可能性が高まるのです。
同棲を解消した相手への慰謝料請求を考えられている方は、べリーベスト法律事務所 船橋オフィスにまでご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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