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【後編】契約を交わしてトラブルを避ける! 雇用契約書の作り方

2019年07月16日
  • 労働問題
  • 雇用契約書
  • 作り方
【後編】契約を交わしてトラブルを避ける! 雇用契約書の作り方

船橋市でも、残念ながら雇用問題によるトラブルが起こっています。そのような事態に陥らないためには、あらかじめ従業員などとしっかりとした契約を結ぶ必要があるでしょう。そこで前編では、雇用契約書の必要性を中心に解説しました。

後半では、雇用契約書に書くべき項目など、具体的な作り方ついて解説します。

3、雇用契約書に書くべき項目と注意事項は?

労働基準法施行規則第5条では、雇用契約締結時に労働者に明示すべき最低限の労働条件について、以下のように定めています。
●労働契約の期間に関する事項
●期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
●就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
●始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
●賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
●退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
●退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
●労働契約の期間(ない場合は「期間の定めなし」と記載)
●就業する場所、および従事する業務の内容
●始業時刻および終業時刻、所定労働時間を超える労働(つまり残業)の有無、休憩時間、休日と休暇、2組以上の交代制で就業する場合の事項
●退職に関する事項(解雇の事由や定年の年齢など)
※労働者が有期雇用契約の場合は、以下の記載も必要です。
●臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
●労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
●安全及び衛生に関する事項
●職業訓練に関する事項
●災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事
●表彰及び制裁に関する事項
●休職に関する事項

●雇用契約更新がある場合はその判断基準、および雇い止めの理由
※パートタイム社員の場合は、パートタイム労働法の規定により上記に加えて以下についても明示する必要があります。

  • 昇給の有無
  • 賞与支給の有無
  • 退職金支給の有無
  • 相談窓口


雇用契約書には、これらの項目についてすべて記載しておくことが望ましいと考えられます。このほか、労働基準法施行規則第5条に明示が必須と定められていない事項でなくても、たとえば試用期間や貸与品の取り扱い、転勤の有無、安全・衛生に関することなど重要な事項については、雇用契約書に明示しておいたほうがよいでしょう。

いずれにせよ、雇用契約書の最大の目的は労働者との間における後日のトラブルを避けることにあります。雇用契約書を作成する際は、事業の特質を踏まえながら慎重に行ってください。また、後日のトラブル防止のために、契約書の内容については弁護士によるリーガルチェックを事前に行っておくことを強くおすすめします。

4、就業規則と雇用契約書の関係

就業規則とは、労働条件や禁止規定など会社のルールを明文化したものです。もし何らかの事情により就業規則と過去に締結した雇用契約書の記載内容が異なっていたことが判明した場合は、どちらの内容が労働者にとって有利かという観点から適用の優先度が決まります。

就業規則よりも雇用契約の内容が労働者にとって有利であれば雇用契約の内容が優先して適用され、逆に就業規則のほうが雇用契約よりも有利であれば、労働契約法第12条の規定により就業規則が優先して適用されます。ただし、就業規則と雇用契約書の両方が労働基準法に定める条件よりも下回る内容であれば違法行為として無効となり、労働基準法の内容が適用されます。

なお、雇用契約の締結時には、労働基準法施行規則第5条に定められた項目について明記された就業規則をコピーして労働者に交付する方法も認められています。しかし、先述した将来的なトラブルを防ぐ観点から、雇用契約書は作成しておくべきです。この場合、雇用契約書の本紙は「別紙就業規則とおりの労働条件について合意する」というような書き方として会社と労働者が記名押印し、その別紙として就業規則のコピーをとじ込んでおくというように、両書面は一体不可分の形にしておくほうが無難であると考えられます。

5、雇用契約書を変更したいときは?

経営環境の悪化等で、雇用契約を現在より労働者に不利益な内容で変更する必要生じる場合があります。
しかし、変更に関して注意点があります。

先述したように、就業規則よりも雇用契約の内容が労働者にとって有利であれば雇用契約の内容が優先して適用され、逆に就業規則のほうが雇用契約よりも有利であれば、労働契約法第12条の規定により就業規則が優先して適用されます。
そして、就業規則は労働者との合意なく、不利益に変更できない(労働契約法9条)のが原則となっており、例外的に変更できる場合にも一定の条件が必要です。(労働契約法10条)
これらのことからすると、雇用契約を労働者に不利益に変更する場合には、就業規則との兼ね合いも考えなければならないことを意味します。

さらに、変更が可能としても、変更に関する「覚書」などを書面で締結しておくことをおすすめします。当初の雇用契約から変更した内容を覚書などの形で書面化しておくことは、雇用契約の客観的な連続性を担保する観点、さらに変更した内容について後日の労働者と不毛なトラブルが発生することを避けるために有用です。

一般的に覚書とは、すでに締結した契約書の内容を変更する、あるいは付記事項を補足する場合に、それについて元の契約書の当事者それぞれが合意したことを証明するために作成するものです。

当初の契約の内容を変更する方法としては、元の雇用契約書をいったん破棄すると同時に雇用契約そのものを締結しなおすという方法もあります。しかし、変更する内容が少ない場合、あるいは変更内容が軽微である場合は、変更する内容だけを明記した覚書という簡素な形式で済ませるほうが会社と労働者の双方にとって合理的であると考えられます。

ただし、変更の覚書といっても実態が契約の根幹に関わるものであれば、それは契約書と同等の法的効力を持ちます。そのような覚書は、タイトルを「変更契約書」としておく方法もあります。

6、まとめ

もし雇用契約書の作り方についてお悩みがあれば、ぜひ弁護士にご相談ください。弁護士であれば、会社の法的リスクを最小化するアドバイスや、トラブル発生時に会社の代理人としての役割が期待できます。

また、ベリーベスト法律事務所では、ワンストップで対応可能な顧問弁護士サービスを提供しています。もちろん、雇用契約に限らず幅広い範囲で対応可能です。

労働問題に関するご相談があるときは、ぜひベリーベスト法律事務所 船橋オフィスまでお気軽にご連絡ください。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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