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欠陥住宅に関する損害賠償を請求する方法や裁判で訴える方法を解説

2023年06月27日
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欠陥住宅に関する損害賠償を請求する方法や裁判で訴える方法を解説

平成29年より連載が始まっている漫画『正直不動産』は、令和4年、船橋市出身の俳優さんを主役に起用してNHKの連続ドラマとして映像化・放映されました。また、船橋市では漫画のタイトルと同名の不動産業者が昭和44年から営業を続けています。
『正直不動産』でも取り上げられている通り、不動産業界は「千の言葉のうち真実は三つしかない」という意味で「千三つ」と呼ばれており、客と業者の情報格差を利用した詐欺まがいの手口が横行しています。新築住宅が欠陥住宅であると知りながら顧客に購入させることも、悪質な不動産業者が行う手口のひとつです。

新築住宅を購入して、入居して間もないのに次々と欠陥が発見された場合には、損害賠償を請求するために、できるだけ早い段階から対応を始めることが大切です。返金や保証を得るために、裁判に訴えることも視野に入れながら、ハウスメーカーや施工業者の責任を追及していきましょう。
本コラムでは、欠陥住宅トラブルに関して損害賠償を請求する方法について、べリーベスト法律事務所船橋オフィスの弁護士が解説します。

1、欠陥住宅とは? 瑕疵担保責任の意味

さまざまなメディアで「欠陥住宅」という言葉を目にする機会がありますが、法的には「欠陥」とは呼びません。住宅の欠陥は、民法で定められている「瑕疵(かし)」に該当します。

瑕疵とは、通常有するべき品質や性能がないことをいいます。
例えば、通常であれば雨漏りを防止するために天井に防水シートを施工するのに、別の建築材料で代用したばかりに求められる防水性が備わっていなかったといった場合も、瑕疵に該当します。

もし、住宅を購入した後に、引き渡し前の確認などでは判明しなかった雨漏りなどの欠陥があれば、これを「隠れた瑕疵」と呼びます。そして、隠れた瑕疵に関して、売り主が補修や金銭による賠償などの責任を負うことを「瑕疵担保責任」といいます。

新築住宅に隠れた瑕疵があった場合、売り主は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」の規定によって、基本構造部分について、引き渡しから10年間は瑕疵担保責任を負います。

瑕疵担保責任の有無は、ここで挙げた品確法など法令による規定のほか、契約内容や技術の基準を満たしているか、防水性などが一定以上確保されているか、住宅金融支援機構が定める標準仕様書の基準を満たしているかなどから、総合的に判断されます。

2、欠陥住宅の責任

欠陥住宅と認められる瑕疵が存在した場合は、誰がその責任を負うのでしょうか?

  1. (1)瑕疵担保責任

    品確法の規定によると、新築住宅の売買契約については、瑕疵担保責任は「売り主」が負うことになっています。

    たとえば、ハウスメーカーの新築住宅を購入した場合、実際の建築施工は下請け・孫請け業者になります。しかし、責任を負うのはあくまでも売り主であるハウスメーカーなのです。

    したがって、補修の要求や損害賠償の請求は、施工業者ではなく売り主に対して行うことになります。たとえハウスメーカーの窓口担当者が「施工を担当した下請け業者が悪い」といい逃れをしようとも、瑕疵担保責任を追及する相手はハウスメーカーです。

    瑕疵担保責任が認められる期間中、売り主は必要な補修、損害賠償の責任を負うほか、補修できないほどの重大な瑕疵がある場合は「契約目的が達成できない」として契約を解除し、支払い済み費用の返金に応じなければなりません。

    瑕疵担保責任は買い主が「欠陥住宅であることを知ってから1年」以内であれば、請求ができると定められていますが、特約などで「住宅の引き渡しから2年」などと制限されている場合もあります。よく契約書を確認する必要があるでしょう。

  2. (2)不法行為責任

    欠陥住宅の責任を瑕疵担保責任ではなく「不法行為責任」ととらえるべきケースもあります。

    不法行為責任とは、一定の結果の発生が想定されているにもかかわらず、不注意や故意によって防止しなかった場合に生じる責任を指します。

    欠陥住宅トラブルにおいて不法行為責任が生じるケースは、安全性を損なう欠陥がある場合と考えられています。危険な結果が想定されているのに、これを防止する施工を行わなかったという不法行為が認められるからです。

    このため、不法行為責任は売り主だけでなく、実際に施工を担当した施工業者や設計者などにも及ぶ場合があります。なお、不法行為責任を求めることができる期間は、損害および加害者を知ってから3年、不法行為のときから20年です。(民法第724条)

    瑕疵担保責任が「隠れた瑕疵」であるのに対して、不法行為責任では、「少なくとも結果の発生が予見できた」という点において悪質であり、トラブルが深刻化する傾向があります。また、責任を負う相手、責任を追及できる期間も異なることに注意しましょう。

3、欠陥住宅トラブルの解決方法

購入した住宅の欠陥が見つかった場合、具体的にどのように解決すればよいでしょうか?以下に、解決までの手順を説明していきます。

  1. (1)任意の交渉

    欠陥住宅トラブルが発生した場合、まずは売り主・買い主が話し合いのテーブルを設けます。ここで補修や賠償金の支払いなどの折り合いがつけば「示談」が成立し、トラブルは解決します。

    なお、事前準備として、建築士に住宅の調査が必要になります。しかし、建築士は交渉の代理人とはなれません。ご自身が交渉するか、弁護士を依頼して交渉をすることになります。示談が成立してしまうと、覆すことは難しいものです。交渉段階から弁護士と相談しながら進めることをおすすめします。

  2. (2)調停

    調停とは、当事者のどちらか一方が裁判所に申し立てて、調停委員会が間に入り、裁判によらない紛争解決を目指す手続きのことです。調停が開かれるのはおよそ月に1度という頻度となるため、結論が出るまでやや時間がかかる可能性があります。

    また、調停はあくまでも話し合いによる手続きです。合意にいたらなかった場合は裁判を起こすことになります。

  3. (3)訴訟

    示談交渉や調停で問題が解決できなかった場合には、損害賠償請求訴訟を提起することになります。訴訟に発展した場合、法的な専門知識が必要なだけでなく、裁判の手続きなどで大きく時間をとられることになります。個人で対応することは難しいため、弁護士に依頼してください。なお、判決が下るまで数年かかることもあります。

4、欠陥住宅トラブルは弁護士に相談を!

欠陥住宅トラブルにお悩みの方は、示談の前にまずは弁護士に相談することをおすすめします。示談だけでなく、裁判に発展した場合も、心強い味方になるためです。

  1. (1)交渉には法的な知識が必要不可欠

    建築物のどこが欠陥に当たるのかは判定するためには建築士などの専門的知識が必要ですが、具体的な交渉を進めるためには法的な知識が必要となります。弁護士は各種法令の広い知識を持っているので、民法や住宅売買に関連する法令も熟知しています。

    ハウスメーカーなどを相手取って責任を求めるためには、法律の知識による後ろ盾は必須なので、弁護士のサポートは欠かせません。また、ハウスメーカー側も弁護士を立てるケースがほとんどでしょう。そうなれば、個人で対抗することは非常に難しくなると考えられます。

    さらに、損害賠償を行う際はもちろん、調停・訴訟といった裁判所の手続きは、自らが証拠を収集する必要があります。有効な証拠を提示するためにも弁護士によるサポートを受けたほうがよいでしょう。

  2. (2)示談から裁判にも対応できる

    欠陥住宅トラブルでは、前述の通りハウスメーカーなども弁護士を選任して対抗してくるケースが多いため、個人では対応が難しくなります。また、問題がなかなか解決せず、裁判などに発展してしまうと時間や費用もかかるものです。

    スムーズな示談交渉や調停・訴訟で有利な結果を得るためには、弁護士の存在は必須だといえるでしょう。

5、まとめ

「マイホームは一生に1度の買い物」だといわれるくらいですから、住宅購入は人生の一大事です。もし、ご自身が購入した住宅が欠陥住宅であることが発覚した場合は、大切な財産を守るためにも、徹底して責任を追及するべきでしょう。

欠陥住宅トラブルは、どの部分を欠陥ととらえるのか、欠陥の原因はどこにあるのかなどによって責任を求める相手が変わります。深い専門知識が必要となるため、個人では対応が難しい問題だといえます。

欠陥住宅トラブルでお悩みのときは、ベリーベスト法律事務所船橋オフィスにぜひご相談ください。各種の民事トラブルをはじめ、欠陥住宅トラブルの解決実績も豊富な弁護士が、お悩みの解決まで徹底的にサポートします。まずはお気軽にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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